PCF合成床版は、床版の下側を、トラス鉄筋を配置したRCプレキャスト版(PCF版)とし、これを型枠代わりにして上側のコンクリートを場所打ちしPCF版と一体化する、ハーフプレハブ合成床版の一つです。また、場所打ち部分にPC鋼材を設置し、橋軸直角方向にプレストレスを導入することにより、床版全体にプレストレスが導入されたPC床版となります。
よって、本工法は型枠・支保工などの現場作業の大幅な省力化を図った、場所打ちPC床版工法の一つと考えることもできます。
第二東名高速道路における開断面箱桁部への適用事例を以下に示します。
藁科川橋は場所打ちPC床版を有する鋼少数主桁橋です。鋼桁には鈑桁と箱桁とがありますが、当初箱桁は閉断面で計画されていました。しかしコンクリート打込み後に導入するプレストレスを鋼桁(特に箱桁の上フランジ)が拘束することを懸念し、上フランジを切った形の開断面箱桁に変更することとなりました。
開断面箱桁の場合、箱桁内における型枠および支保工の組立・解体が必要となりますが、現場作業の効率化を図る目的から「箱桁内プレキャスト型枠床版(略称=PCF床版)」を開発しました。
尚、本橋における開発は、(株)宮地鐵工所、東海コンクリート工業(株)、日本カイザー(株)を含む4社共同にて実施しました。
PCF床版はトラス鉄筋を配置した工場製のハーフキャスト部材であり、箱桁内床版の下側を構成し、現場では埋設型枠として使用します。
PCF版を、箱桁部のみの単純版から張り出し部を含む幅員全幅に拡大することにより、現場作業のさらなる省力化を図ったPCF合成床版工法の実現を目指した研究開発に取り組んでいます。